龍馬伝13話：さらば土佐よ【概要&動画を見る】

あらすじ：さらば土佐よ【龍馬伝13話の概要】

武市半平太（大森南朋）は、
12話で吉田東洋（田中泯）に、
攘夷の訴えを続けていました。

しかし、東洋には届きませんでした。

そして武市は、
東洋を殺してくれと龍馬に頼みます。

龍馬（福山雅治）と武市富（奥貫薫）は反対します。

富「そんな恐ろしいこと、せんでいてください」

武市「わしはあいつに足蹴りされたんやぞ、あいつがいる限り、何もできんがじゃ！」

龍馬「わかった武市さん」

龍馬「わしが直接、あの人（東洋）の腹の中を確かめてくるき」

龍馬「わしの前でおかしなことをいうたら、その場で斬ります。」

龍馬が一旦引き受ける形でその場は収まります。

一方、龍馬の周りでは、攘夷への腰が重い武市を見切る者が皆が出てきました。

龍馬も、心の中で土佐を脱藩して、日本のために生きたいと思い始めていました。

そんな中、龍馬の部屋から、惣之丞からもらった「脱藩の地図」を見つけてしまいます。坂本家は、龍馬が脱藩する意思があることに気づいてしまいます。

坂本家のみなが脱藩に反対する中、坂本乙女（寺島しのぶ）だけが賛成します。

乙女「龍馬はずっと我慢してたがじゃ。わたしのしっちゅう龍馬は、とてつもない大きいものを持っている男じゃき」

乙女「龍馬はやっと自分の道を見つけたがじゃ」

龍馬の脱藩に反対している坂本家を説得する乙女。

そして、乙女は龍馬の意思を汲み取り、家伝の刀を渡します。

泣いて礼を言う龍馬。

乙女姉さんは、
龍馬を誰よりも大事にしていました。

その翌日、龍馬は坂本家を出て、武市を訪ねます。

龍馬は、東洋を殺すべきではないと説得するが、那須信吾（天野義久）に命じて、吉田東洋の暗殺を決行します。

雨の中、刺客に囲まれ、ついに刺される東洋。

東洋「武市ーー大馬鹿もんがー！」

暗殺を実行した、土佐勤王党の那須信吾・大石団蔵・安岡嘉助は、この後脱藩。長州や薩摩で活動していました。

14話に続く。

47歳で散った改革者・吉田東洋の功績と悲劇【龍馬伝13話と史実】

大河ドラマ「龍馬伝」の第13話「さらば土佐よ」で衝撃的に描かれた、土佐藩参政・吉田東洋の暗殺。ドラマの序盤における大きな転換点であり、坂本龍馬が土佐を脱藩する直接的な引き金となったこの事件は、史実においても幕末土佐藩を揺るがす大事件でした

吉田東洋は、土佐藩主・山内容堂にその類まれな才覚を見出され、一度は失脚するも参政（宰相）として藩政のトップに返り咲いた人物です。彼の功績は、旧態依然とした門閥制度を打破し、身分にとらわれず有能な人材を登用する「新おこぜ組」と呼ばれる革新的な派閥を形成したことにあります。ドラマでも描かれたように、東洋は後藤象二郎をはじめとする若い世代を積極的に抜擢・教育し、来るべき開国の時代を見据えた富国強兵策を断行しました。その思想は、幕府と朝廷が協調する「公武合体」を基本とし、諸外国と渡り合うためにはまず国内の体制を強化すべきだという現実的なものでした。

しかし、この東洋の改革と開明的な思想は、二つの勢力から強い反発を受けます。一つは、彼の改革によって既得権益を脅かされた保守的な上士階級。そしてもう一つが、武市半平太が率いる「土佐勤王党」でした。彼らは「尊王攘夷」を掲げ、外国を打ち払い天皇中心の国づくりを目指す急進的な思想を持っていました。東洋の現実路線は、彼らの目には「外国に媚び、幕府にへつらう裏切り者」と映ったのです。

ドラマ「龍馬伝」では、龍馬が東洋の器の大きさを認めつつも、その厳格すぎるやり方や思想の違いから対立する姿が描かれました。龍馬は土佐勤王党に名を連ねていましたが、東洋暗殺のような過激な手段には決して賛同していませんでした。しかし、過激化する勤王党を止めることはできず、龍馬が土佐を脱藩した直後の文久2年（1862年）4月8日の夜、吉田東洋は土佐勤王党の刺客、那須信吾らの刃に倒れます。享年47。その壮絶な最期は、まさに志半ばでの悲劇でした。

吉田東洋の死は、土佐藩の改革を一時的に停滞させ、藩内の尊王攘夷派の台頭を許しました。しかし皮肉にも、彼という大きな「重し」を失ったことで、坂本龍馬は土佐という藩の枠を超え、日本の未来を動かすべく、より広い世界へと羽ばたいていくことになります。ドラマは、この歴史的悲劇を、龍馬の旅立ちを促すための運命的な出来事として見事に描き切ったと言えるでしょう。

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