龍馬伝5話：黒船と剣【概要&動画を見る】

あらすじ：黒船と剣【龍馬伝5話の概要】

船が浦賀に停泊し、
アメリカと幕府が開国への交渉を始めます。

アメリカ「国書を受け取れ」
日本「まずは長崎へ行け」

幕府側もどうしていいのかわからず、この繰り返しに。

清国との交渉成功経験から「威嚇交渉のほうが効果的」とペリーは考えていました。

アメリカが攻めてくるのではないかと、
人々は慌てて戦の支度を始めます。

しかし、関ヶ原の戦いから200年以上遠ざかっていた江戸幕府。民は「戦」の方法がわかりません。

坂本龍馬（福山雅治）も広之丞（ピエール瀧）と黒船の奇襲に備え、江戸の海岸の警備にあたります。

しかし、世界が見たいと、龍馬は黒船のある浦賀へ向かいます。

たまたま浦賀の海岸で、
龍馬は桂小五郎と出会います。（笑）

黒船の大きさに仰天する龍馬と桂。
帆もないのに動いている船、
初めて見る蒸気船です。

しかし、岩のような黒船。桂と龍馬は何もすることができず、ただ黒船の通過を見守るしかできませんでした。

龍馬は黒船の圧倒的圧力からのショックが大きく、桂を訪ね、相談します。

桂「もし異国と戦になれば、剣など役に立たん」 桂「攘夷なんて、できない」 桂「異国と仲良くするしかない」

それを聞いた龍馬は、
道場に通っても剣の修行が
身が入らなくなります。

龍馬「わしは、なんのために剣術しているのかわからんぜよ」 龍馬「父上、おとめねいやん」

龍馬は、剣術以外の新しい道を探していきます。

『龍馬伝』第5話と史実：ペリーが日本に来航した理由

2010年放送のNHK大河ドラマ『龍馬伝』第5話「黒船来航」では、まさに日本にとって大きな転換点となったペリー艦隊の来航が描かれました。

浦賀沖に突如現れた巨大な黒船は、当時の人々に大きな衝撃を与え、鎖国体制にあった日本の運命を大きく揺るがすことになります。

では、なぜアメリカは、極東の島国である日本に、遠路はるばる艦隊を派遣したのでしょうか。その背景には、当時のアメリカが抱えていた複数の戦略的・経済的な思惑がありました。

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1. 漂流民の保護と本国への送還

まず、人道的な側面として、遭難した自国や他国の船員の保護と送還が挙げられます。

当時の太平洋には、捕鯨を主な目的とするアメリカの船が多数航行していました。しかし、日本の鎖国政策により、日本近海で遭難した船員が救助されても、上陸が許されず、時に厳しい扱いを受けることがありました。

アメリカは、自国の船員が安全に保護され、本国へ送還されるための協定を日本と結ぶ必要性を感じていました。これは、国際的な人道上の問題として、アメリカが日本との交渉を求める理由の一つとなりました。

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2. 補給基地の確保

次に、経済的・軍事的な側面です。当時のアメリカは、太平洋を横断して中国との貿易を拡大しようとしていました。

しかし、蒸気船が主流になりつつあった時代において、長距離航海には途中で石炭や水、食料などを補給する寄港地が必要でした。

日本は、太平洋航路の要衝に位置しており、その地理的優位性から、アメリカにとって補給基地としての魅力が非常に高かったのです。特に、石炭の補給は、蒸気船の航続距離を伸ばし、効率的な貿易ルートを確立する上で不可欠でした。

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3. 通商関係の樹立

最も重要な目的の一つが、日本との通商関係の樹立でした。当時のアメリカは、西部開拓が進み、太平洋へ進出する勢いを増していました。

中国市場へのアクセスを強化する上で、日本という新たな市場の開拓は、経済的なメリットが大きいと考えられました。

また、日本から得られる資源（特に石炭）や、日本の産品への関心も高まっていました。鎖国を続ける日本と通商条約を結ぶことで、アメリカは極東における経済的プレゼンスを確立し、貿易の拡大を図ろうとしていたのです。

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4. 太平洋航路の安全性確保と捕鯨活動の拠点

太平洋を航行するアメリカの船舶にとって、日本の存在は安全保障上も無視できないものでした。日本の沿岸で遭難した船が適切に扱われないことや、日本の領海を自由に通航できないことは、太平洋貿易の妨げとなっていました。

また、日本近海は豊かな漁場であり、アメリカの捕鯨船が多く操業していました。捕鯨活動をより安全かつ効率的に行うためにも、日本との協力関係を築き、寄港地や補給地を確保することは喫緊の課題だったのです。

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5. 欧米列強の動向への牽制

当時のアジアでは、イギリスやフランス、ロシアといった欧米列強が植民地を拡大し、勢力圏を広げていました。アメリカもまた、これらの国々と同様に、アジアにおけるプレゼンスを高めたいという思惑がありました。

日本を開国させることで、アメリカは極東における自国の影響力を示し、他の列強に対する牽制とすることも意図していました。

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結論

このように、ペリーが日本に来航した背景には、漂流民の保護という人道的理由に加え、補給基地の確保、通商関係の樹立、太平洋航路の安全性確保、捕鯨活動の拠点、そして欧米列強への牽制といった、多岐にわたるアメリカの戦略的・経済的思惑が複雑に絡み合っていました。

これらの目的を達成するために、アメリカは武力に訴えることも辞さないという強い姿勢で、日本に開国を迫ったのです。

『龍馬伝』第5話で描かれた黒船来航は、まさにこれらの歴史的背景を具現化したものであり、その後の日本の近代化に繋がる大きな転換点となったのです。

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